大企業の障害者枠で働くことは、多くのメリットがあります。本記事では、なぜ大企業が障害者雇用においておすすめなのか、その理由を詳しく解説します。
「なぜ障害者雇用で大企業が良いのか知りたい」
「給料をアップしたい」
「自分に合った大企業を見つけたい」
福利厚生やキャリアアップの制度も充実しているため、障害者枠での採用でも安心して長期的なキャリアを築くことが可能です。
大企業ではその規模に比例して障害者雇用の枠が大きくなるため、その分多くのチャンスがあります。
あなたにとって最適な大企業での働き方を見つける手助けになれば幸いです。
このページの目次
障害者雇用だと大企業に採用されやすい理由
大企業は待遇や条件が良く、安定しているため、長期間働くことが可能です。
一般的に、大企業への就職や転職は競争が激しくなりがちですが、障害者雇用の場合は大企業への採用が比較的容易になることがあります。
大企業に受かりやすい理由
それぞれ詳しく説明します。
採用枠が広い
障害者雇用促進法により、企業は従業員の2.3%を障害者として雇用する必要があります。
例えば、100人の従業員がいる会社では3名の障害者を雇用することが求められます。
数万人の従業員を持つ大企業では、230名以上の障害者を雇用する必要があります。
このように大企業では障害者の雇用枠が多いため、倍率も低く採用される可能性が高くなります。一般雇用に比べ、障害者雇用の倍率はかなり低くなるのが一般的です。
例えば、6万人の従業員を持つ会社では、一般雇用の倍率が4～7倍に対して、障害者雇用は2～3倍程度となっています。
離職率が高くチャンスが多い
障害者雇用においては、1年以内の離職率が高く、3割の人が会社を辞めることがあります。
出典：障害者の就業状況等に関する調査研究｜障害者職業総合センター NIVR
この高い離職率は企業にとっては問題ですが、求職者にとっては新たな求人が生まれるチャンスとなります。
大企業は障害者雇用率を守るために、離職が生じると新たに求人を出して採用活動を行います。
そのため、待遇が良い大企業でも離職者が一定数いることが求職者にとってのチャンスになります。
これらの大企業の求人は主に転職エージェントを通じて出されることが多いので、大企業を目指す人には転職エージェントの活用がおすすめです。
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ライバルが少なく弱い
障害者雇用の場合、ライバルが少なく、倍率はおおよそ2～3倍程度になります。
このライバルたちの中には、離職率が高いことから転職回数が多かったり、職歴にブランクがある人が多く含まれています。
企業側は、安定して長期間働ける人材を好むため、履歴書にブランクや頻繁な転職が記載されている人は、採用されにくい傾向があります。
そのため、履歴書がまだ「汚れていない」人、つまりブランクや頻繁な転職がない人は、履歴書が「汚れている」人より採用されやすくなります。
もし、あなたの履歴書がまだ汚れていない状態であれば、採用される可能性は大いにあります。
社会貢献と企業イメージ向上
障害者雇用は大企業にとって重要な役割を果たしますが、障害者本人にとっても大企業への就職は大きなメリットがあります。
大企業では、障害者がサポートを受けながら、いろいろな仕事の道を選べます。
そうすることで、障害者は自分の力をしっかり使って、安定した仕事を持つことができます。
大企業で働くことは、障害者が社会に参加しやすくなる手助けになります。また、企業が社会に良い影響を与え、企業の評判を良くするのにも役立ちます。
国内トップ企業5社の障害者雇用取り組み事例
障害者雇用において国内のトップ企業は、多様な取り組みを行っています。
これらの企業は、障害者の方々が働きやすい環境を提供することで、社会全体の多様性を高め、企業価値の向上にも寄与しています。
次の5社について、障害者雇用の取り組みをご紹介します。
それぞれの企業がどのような方針で障害者雇用を進めているのか、また、その取り組みが社内外にどのような影響を与えているのかについて見ていきましょう。
楽天
楽天ソシオビジネスは、楽天株式会社の特例子会社として設立され、従業員の約8割が障害者であり、代表取締役社長自身も障害者です。
同社は独立して黒字化を目指し、事業内容としては楽天市場の運営やグループ会社からのアウトソーシング業務、店舗運営、植物工場などを手掛けています。
楽天ソシオビジネスの障害者雇用に関する取り組みは、2019年にテレビ東京の番組「ガイアの夜明け」で特集されたこともあります。
リクルート
リクルートグループは特例子会社を3社保有しており、それぞれ異なる役割を担っています。
「リクルートオフィスサポート」は、グループ内の初めての特例子会社で、総務、個人情報管理、経理などの業務を行っています。
「リクルートスタッフィングクラフツ」は、重度の知的障害者のために設立され、紙漉きや卓上カレンダーの製造を行い、これらの製品は販促物として使用されています。
「スタッフサービス・ビジネスサポート」は、特に内部障害者や腎臓機能障害者の雇用促進に注力しており、肢体不自由や聴覚・視覚障害者も活躍しています。
リクルートグループはこれらの特例子会社を通じて、特定の障害を持つ障害者の雇用機会の創出に積極的に取り組んでいます。
ユニクロ
アパレル大手のユニクロは、障害者雇用率ランキングで第6位のファーストリテイリングを親会社に持ち、障害者雇用を積極的に進めています。
ユニクロは2001年から「1店舗1名以上」の雇用を目標に掲げており、従業員数1万人以上の企業の中で2005年から2013年まで9年連続で障害者雇用率日本一を達成しました。
2013年度における障害者雇用率は6.64%という高い水準を誇っています。
イオン
イオンリテール株式会社は、約1,800名の障害者を雇用しており、これらの従業員は食品の品質管理、商品補充、広報事務、販促といった多岐に渡る業務を担当しています。
また、イオングループは特例子会社を保有し、障害者の就労移行支援や定着支援サービスを提供しています。
一般的に特例子会社はグループ会社のアウトソーシング業務を行うことが多いですが、イオングループの場合は障害者の就労移行支援サービスを展開している点が特徴的です。
トヨタ
トヨタループス株式会社は、トヨタ自動車が2008年5月に設立した特例子会社で、社名は障害者雇用の輪を拡大するという意味で名付けられました。
2020年4月の時点で、同社の社員406名のうち313名が障害者であり、全体の約8割を占めています。
トヨタループスでは、トヨタ自動車の社内印刷や社内郵便物の受発信などの業務を受託しています。
障害者雇用で大企業を目指した方が良い理由
障害者雇用において大企業を目指すことは多くの利点があります。こうした企業では障害者の社員が働きやすい環境が提供されており、安定したキャリアを築くことが期待できます。
次に大企業を目指すべき理由について触れていきます。
それぞれの詳細を説明します。
給料が高い
大企業を目指す最大の理由は、給料が良いことです。
障害者雇用の場合、平均年収は約200万円前後になります。それに対して、大企業では250万円から350万円程度の年収が期待できます。
生活の安定には給料の金額が重要であり、大企業の障害者雇用で正社員になると、ボーナスや昇給の可能性もあって、給料が上がる可能性が高まります。
障害者雇用の採用に慣れている
大企業では数十から数百名の障害者雇用の方が働いており、障害の内容や程度は人それぞれですが、働きやすい環境が整備されています。
障害者雇用が珍しくないため、大企業内では障害への理解が浸透しており、障害者の対応を理解している人が多いです。
その結果、障害者と一緒に働くことに抵抗感を持つ人は少なく、障害者の方にとって働きやすい環境になっています。
一方で、一般雇用の人の中には、障害者に対する誤った認識を持つこともありますが、大企業では障害者に慣れているため、変な差別や区別が少ないのが特徴です。
サポートや教育の環境が整っている
大企業には、障害を持つ人でも働きやすい環境を提供するため、サポート体制や教育体制が整っています。
たとえば上司に言いにくいことを相談できるような第三者的な相談役が存在し、教育も手厚く行われています。
また、定期的な人事面談があり、障害者雇用の方が不安なく働けるような体制が確立されています。
キャリアアップの制度が豊富
従来、「障害者雇用はパートが多い」というイメージが広まっていましたが、近年では大企業が障害者雇用のキャリアアップに積極的になっています。
例えば、障害者の雇用に積極的な企業ランキングで2位の株式会社エフピコにおける障害者雇用では「基幹業務で正社員雇用」という方針を貫いており、障害者を重要な戦力として採用しています。
障害者雇用に積極的な企業ランキングTOP10
| 順位 | 会社名 | 障害者 雇用率 |
業務 |
| 1 | ゼネラルパートナーズ | 20.53％ | 障害者の就職・転職サービスを提供 |
| 2 | エフピコ | 13.6％ | 食品トレー、弁当・総菜容器の最大手 |
| 3 | エイベックス | 11.25％ | 独立系エンターテインメント大手 |
| 4 | MRKホールディングス | 7.75％ | 障害者の就職・転職サービスを提供 |
| 5 | キトー | 7.1％ | 関東の工場用搬送機器メーカー |
| 6 | ファーストリテイリング | 5.28％ | 「ユニクロ」「GU」を展開する世界的アパレル企業 |
| 7 | LITALICO | 4.64％ | 就労支援、幼児教室など教育サービスを提供する障がい・福祉領域大手 |
| 8 | 古川機械金属 | 4.56％ | 非鉄金属・産業機械の大手 |
| 9 | 良品計画 | 4.5％ | 「無印良品」を展開する小売り大手 |
| 10 | マックスバリュ北海道 | 4.36％ | スーパー大手イオンのグループ企業※2020年3月に「イオン北海道」に吸収合併 |
出典：｢障害者の雇用｣に積極的な企業ランキング100 コロナ禍で障害者雇用が｢後戻り｣する懸念も | 企業ランキング | 東洋経済オンライン
倒産しにくいという安心感
大企業は倒産する可能性が低いため、安心して長く働くことができます。新型コロナウイルスの影響もありどの企業も完全には安心できない状況ではありますが、大企業は比較的安定しています。
実際、新型コロナによる倒産件数は増えていますが、大企業が潰れるケースは非常に稀です。
これは大企業が持つ資金力と企業体力があるため、不況時にも強いとされています。
そのため、長期的な安定を望む人にとっては、大企業を目指すのは合理的な選択と言えます。
長期間安定して働く職場を探す
障害者雇用で大企業を目指すなら転職エージェントの利用は必須
大企業を目指す場合、転職エージェントの利用は必須です。
これは大企業の求人情報が少なく、一般的に流通している情報から探しにくいためです。
大企業を狙うにあたり、転職エージェントをおすすめする理由について詳しくお送りします。
大企業の求人が多い
転職エージェントを利用する企業は、優秀な人材を求めており、そのため大企業の求人が多くなっています。
これらの企業は、転職エージェント経由で人材を採用する際に、その人の年収の約3割にあたる高額な紹介料を支払うと言われています。
専門性の低い職種の場合、給料が少なくなることもありますが、大企業では福利厚生が充実しており、トータルで見るとハローワークに掲載されている企業よりも給料が高くなる傾向があります。
そのため、転職エージェントでは条件の良い大企業の求人が多く見られます。
転職活動の具体的なサポートをしてくれる
転職活動には多くのやるべきことがあります。例えば次の通りです。
- 求人選び
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 応募したい求人に書類を提出
- 書類選考が通ったら面接
- 内定
- 入社
この他にも情報の収集や分析など、多岐に渡ります。
- 市場・業界調査
- 企業分析
- 面接対策
- 企業との面接の日程調整
- 内定後の年収交渉
特に多くの転職者が現職を続けながら転職活動を行う場合、利用できる時間は限られています。
この限られた時間での転職活動は非常に難しいものですが、転職エージェントを利用することで、次のようなサポートが受けられます。
転職エージェントを利用すると受けられる主なサポート
- 初回や必要に応じて対面・電話等での面談
- マッチングする求人の手配
- 履歴書、職務経歴書の添削
- 企業との面接日時の調整
- 面接対策・練習
- 面接同行
- 内定後の交渉
- 企業への問い合わせ
- 残念ながら不採用の場合は理由の通知や分析
これにより、書類作成や面接対策などの重要な部分に時間を割くことが可能になります。そのため、効率的な転職活動を行うためには、転職エージェントの利用は必須です。
障害者の就職・転職を専門的にサポート
求人企業の内情を教えてくれる
転職サイトやハローワークでは、求人の表面上の情報しか分かりません。
例えば、正社員を希望している場合に契約社員の正社員登用実績などの詳細情報が不明なことがあります。
しかし、転職エージェントは企業と密接につながっているため、こうした細かい情報を持っていることが多く、求人を出している会社の職場の雰囲気や実際の仕事内容を確認することもあります。
企業へ直接聞きにくい情報も、転職エージェントが持っていたり、代わりに聞いてくれることもあります。
このような情報を知ることは転職において非常に重要です。
企業にあなたをアピールしてくれる
転職エージェントは企業と密接に繋がっており、応募者の特徴やアピールポイントを企業に伝える役割も担います。
面接で伝えきれなかったことや、十分にアピールできなかった点を、転職エージェントが企業に補足説明してくれます。
これは、転職エージェントが応募者が採用されることで報酬を受け取るため、採用に向けて積極的にサポートを行うためです。
その結果、転職活動は転職エージェントとの二人三脚で進めることができますので、より良い結果に繋がります。
ハローワークの大企業求人は8割が空求人
ハローワークには大企業の求人がいくつかありますが、これらの求人は空求人である可能性が高いです。
ハローワークでは求人掲載が無料であるため、採用意欲の低い企業も求人を出すことがあり、特定の障害の種類を求める企業も存在します。
これにより、ハローワークから応募しても書類選考を通過しないことが多く、ハローワークを利用した転職活動よりも転職エージェントを利用した方が成功しやすくなっています。
特に、質の高い人材を採用したいと考える大企業は、ハローワークにはあまり求人を出さない傾向があります。
ハローワークでは得られない情報
大企業の障害者雇用での採用基準
大企業の障害者雇用で採用される人は、次のような人材です。
- ブランクが短い
- 転職回数が少ない
- 自分の障害特性を理解している
- コミュニケーションが問題なくできる
- 人の話を素直に聞ける能力がある
言い換えると、「長く安定して働けそうな人」「自己理解がしっかりしている人」「会社に貢献できる人」を求めています。
これらを踏まえて、応募書類や面接に適切な対策を行えば、採用される可能性は十分にあります。
大企業の障害者雇用に関するQ&A
大企業の障害者雇用に関するよくある質問について回答していきます。
大企業の障害者雇用には学歴フィルターがある？
障害者雇用では学歴フィルターはほとんど存在せず、F欄卒、高卒、中卒の方でも仕事を得ることが可能です。
実際に、障害者雇用の求人の多くは学歴不問で、求められるのは簡単で単純な仕事が多いため、企業は学歴よりも障害の内容や等級を重視します。
企業は、学歴よりも安定して長く働ける人材を求めています。ただし、学歴が重要視される仕事もあり、これは主に専門職や特定のスキルが必要な職種で、これらは通常ハイクラスの求人に多く見られます。
大企業の障害者雇用枠ではSPI・適性検査がある？
障害者雇用枠ではSPI・適性検査がほとんど行われず、約80％の企業でこれらの検査は実施されていません。
SPI（Synthetic Personality Inventory）とは、日本で一般的に使用される適性検査の一種です。企業が採用選考の際に使用し、応募者の知能や性格、適性などを測定する目的で行われます。
多くの障害者雇用枠の職場では勤怠が安定している人が少なく、法定雇用率の達成が困難です。また、障害者本人にとっても、週20～30時間の労働は低賃金と労働時間の少なさから働くことが難しいという現状があります。
一方で、法定雇用率を満たしている大企業では、条件が良くスキルのある人を採用したいという理由でSPI・適性検査を実施することがあります。
これらの企業は障害者雇用において経験があり、手厚い配慮を提供する働き甲斐のある職場です。そのため、希望する企業にSPI・適性検査がある場合は、適切な対策を行うことが重要です。
大企業の障害者雇用でも時短勤務はOK？
時短勤務が可能な求人はありますが、週5日40時間勤務の求人に対しては、内定や入社後に無理に時短勤務を要求するのは避けるべきです。
時短勤務を希望する場合は、初めから時短勤務OKの求人に応募するのが良いでしょう。
求人を探す際は「短時間勤務（週20時間）」という条件で検索するか、転職エージェントに短時間勤務が可能な求人を探してもらうのが効果的です。
あなたにぴったりの条件を探すなら
大企業の系列子会社・特例子会社ではどちらが良い？
稼ぎたい場合、大企業の系列会社がおすすめです。
大企業の系列会社では就業規定で待遇が決まっており、年齢加算や賞与（ボーナス）が支給されることがあります。
一方、特例子会社は給与規定に基づいており、給料が低く賞与がないケースもあります。
大企業の系列会社では待遇が良い反面、求められる能力も高くなる傾向がありますが、特例子会社では一定程度の配慮があり、求められる能力は会社によって異なります。
最終的には、安定して緩く働くか、少し厳しい条件でも給料が良い職場を選ぶかの2つの選択肢があります。
大企業における障害者雇用の将来展望
大企業における障害者雇用は、今後も大きく進化していくことが予想されます。
技術の進歩と社会の意識変化が、この分野に新たな可能性をもたらしています。
テクノロジーとイノベーションの役割
最新のテクノロジー、特に人工知能やロボティクスの進歩は、障害者の働き方を大きく変えていきます。
具体的には近い将来には、下記のようなサポートが実現されると考えられています。
- 人工知能（AI）の音声認識による障害者のコミュニケーション補助
- ロボティクスの進化で、身体障害者の物理的作業がサポートされる
- テクノロジーの進歩により、障害者の職場課題が軽減され、新しい職業機会が生まれる
これらの技術により、障害者が直面する職場の障壁が低減され、多くの新たな職業機会が生まれていきます。
障害者雇用の社会的認知の変化
社会全体の障害者に対する認識の変化も、大企業の障害者雇用に影響を与えています。
障害を持つ人々の潜在能力への理解が深まるにつれて、企業も障害者の雇用をより積極的に進めるようになっています。
未来の障害者雇用戦略
未来において、大企業は障害者雇用に関する戦略をさらに発展させるでしょう。
これには、障害者のためのより良いキャリアパスの構築、職場の多様性を高めるための新しいアプローチの採用、そして障害者の才能を最大限に活用するための技術的な支援の拡大が含まれます。
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まとめ：障害者雇用なら大企業が狙い目！dodaチャレンジを利用して大企業を目指す
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